日本かどうかに関わらず、この世界にはたくさんの言葉が存在する。
私たちが知れるのはその1%にも満たないだろう。
だが、少し考えてみてほしい。
1%だけでも、こんなにたくさんの気持ちや物事を語ることができる。
それなら1.5%は、どれほど大きく感動的な世界になるだろう。
たとえば、一言で雨の粒の大きさや土の硬さを語れるなら。
仕事の辛さと痛みの辛さが、違う字になるなら。
ひとくち齧ったあの果実の、その甘みの強さが、音階のように表されるなら。
見える世界はどれだけ変わることだろう。
そんな言葉を探すのは途方もないことだと、私たちはいつの間にか知ってしまった。
しかし、世界には面白い事実がたくさん転がっている。
そのひとつひとつにくっついている人の気持ちが、言葉として、芽吹き、実る。
最初はたったひとりなのに、どこかで必ず、たくさんの誰かと繋がる。
いつの間にか、そんな言葉を作った人間というものが愛しく感じる。
それが、言葉の醍醐味である。
そんな言葉を探す旅に出よう。
まずは日本語から。